日曜研究室 〜技術的な日常〜

技術的な観点から日常を綴ります

会社が終わります


   6 月 26

会社が終わります

今勤めてるIT系の会社が7月で終わります。
「終わる」と書いたのは厳密には倒産ではないからです。
これ以上会社を続けていく資金はないけど、倒産したら社長個人に負債がのしかかってくるらしく、実質的に会社は営業を止めるけど、書類上は存続するということみたいです。
株式会社はその負債を返済する責任は社長個人まで及ばないはずなんですけど、銀行から資金を借りる際に社長個人が保証人になってたんでしょう。
しかし、名前さえ残ってれば良いなんてそんな抜け穴みたいなことが許されるんですかね。銀行も遊びでやってるわけじゃないはず。

どんな会社だったかという話をしますと、
少数精鋭でWeb系の自社サービスを開発、運営してる会社ということで、2年ちょっと前に入社しました。
しかし入ってみると、既存の社員はどう考えても少数精鋭などではなく、少数の素人”しかいない”状態でした。
誇張ではなく、本当に「Outlook Expressでメールの送受信ができます!」程度のレベルの人しかいませんでした。
唯一、経理のバイトの子だけが経理としてはプロレベルでした。

なんでそんな素人ばかりになってしまったのか。
元々オーナー社長はITとは全く関係のない別の業界で会社をやってました。
しかし経営が悪化し、業界の先行きが不透明になっていく、そんな中で「ITなら楽して稼げる」と勘違いした社長が今の会社を始めた訳です。
未だに「ITなら楽して稼げる」と思ってる節があるのが滑稽というか学習能力が無いというか。
今ITで楽できるのは数十億〜数百億の資金を持ってる出資者か、ビジネスのセンスを持つプログラミング言語をネイティブランゲージのごとく読み書きできるプログラマだけだと思います。
まぁ、そんな中で今の会社の初期メンバーはそのオーナー社長の元々の会社、要は全く別の業界から連れて来た人たちばかりでした。
これが素人ばかりになってしまった理由です。

会社で持ってた比較的大規模なWebサービス(システムの仕組みとして大規模なだけで、利用者数的には全然大規模じゃないです)は、僕が入社する1年前くらいに作られたらしいのですが、そんな素人集団でどうやってWebサービスを作ったのかというと、もちろん外注です。
入社してかなり経ってから知ったのですが、その外注でかなりお金がかかり、大きな負債を抱えたらしいです。
(そりゃド素人が外注に丸投げすればコストはかなり高くつくよな〜)
なので僕が入社した時にはすでに会社に莫大な借金があったことになります。
当時はそんなこと一切聞かされなかったし、一切知りませんでしたけど。

構築に莫大なお金がかかったそんなWebサービスですが、既存のサービスの二番煎じでさえなくて(あえて言えば百番煎じぐらいでしょうか)、全くと言っていいほど収益がありませんでした。
ぶっちゃけると年間数千円で、「これじゃ社員の給料にもならない」というレベルを遥かに超越してました。
当時の社員数10人弱で年間売り上げ数千円とかどんだけw
もちろんほかの仕事もやってたのでトータルで数千円ではないですけど、社員の給料分も全く稼げてなかったのは事実です。

これじゃイカンということで、僕が入社してから約半年間の間に、既存のIT向きのスキルを持ってない人たちをリストラし、IT向きのスキルを持っている人を雇用しようという動きがありました。
これは当時入社したばかりの僕が特に提案した訳ではないですが、社長や管理職の人が僕を見て「IT系の人材はこうあるべき」というのを知ってしまったからというのも理由の一つだと思います。
そりゃ、「Outlook Expressでメールの送受信ができます!」という人と前職がSIerで「Linux/Unixサーバをコマンドで構築・管理して、プログラム書いて、色んな技術的問題に柔軟に対応して、ちゃんとコミュニケーションできます!Outlook Express?ああ、デフォルトでSMTP AuthにならないクソなMUAね。」という人を比べればそうなるわなと。
前者と後者で給料変わらなかったですし。

そんなこんなで今から1年以上前に、管理職含め当初の素人メンバーは文字通り一人もいなくなりました。
そうなっていく過程で、「最初の一歩目から方向を間違ってる自社Webサービス」を捨て、とりあえずWebサイト/システムの受注開発系に次第にシフトしていきました。
会社としてこれ以上お金をかけられなかったですし、新たなWebサービスを開発するにしても、構築・運用できるスキルのある人は依然として僕一人で、そんなんだったら会社でやる意味ないので。
(ほかのスキルのある人は、いわゆるWebデザイナと呼ばれる人たちです。センスはさておきその技術は僕にもあります。)

受注開発は顧客を一から開拓する必要があったので最初は厳しかったのですが、社長以外のみんなでがんばり、どんどんお客さんも増えていき、ギリギリ社員の給料分は稼げるようになりました。
(社長は別の会社で忙しいのか、何かしら重要な経営判断をくだすわけでもなく、ほとんど今の会社に顔を出しませんでした。)
しかし、社長は詳しくは説明してくれませんが、会社の借金の返済などでそれでも全然稼ぎが足りなかったみたいで、会社運営を止めるということになりました。
(なんかそういう不透明さが士気の低下を招くんだよなー。だいたい社員に説明できないことは最初からするなよと。)

IFの話は無意味ですが、もし僕が入社したときに会社ができたばかりだったら、会社の借金も無いし、社長が詳しく語ってくれない謎のしがらみも無いし、多少の借り入れは発生したにしろ、まだまだ存続できた会社だったと思います。

こんなこと書きながらも、特に会社や社長を恨んだりはしてません。
給料は少ないながらもちゃんと払ってくれてました(給料の額は最初に僕自身が了承したこでもあります)し、給料以外の待遇はかなり良かったので。
多くは反面教師からですが、色々学ぶこともできましたし。

ただ、問題なのは会社が終わって「ハイ終わり」じゃないところです。
今の会社は小規模ながら自社でサーバーのホスティングをやっていて、会社を止めると同時にサーバーも止めるとお客さんに迷惑がかかるので、その管理者だった僕が個人的に引き継ぐことになりました。
利用中のお客さんも了承済みです。
サーバーの管理には手間がかからない(手間がかからないように構築してる)し、いくらかお金も入るなら悪くないなと思ってるところですが、しかしこういう場合って、社長などが責任を持って受け入れ先の会社を探すなりするのが普通じゃないですかね?
決裁権があれば僕が受け入れ先探してもいいんですけど、多分お金は一文も出ないから無理だろうな。

やっぱ社長が自分の会社のビジネスについて分かってないのは論外ですよ。
分かってないなら分かってる人に権限を与えないと。
(とは言いつつも、他人の会社の経営判断はあまりしたくないですが)
分かってない人がすべての権限を持ってて、何の経営判断もしないとか、楽して稼ぎたいのは分かるけど、最初から楽し過ぎだろと。
まぁ、一度外注で失敗してるから気持ちは分からなくはないけど。

個人的な今後のことは、まだ悩んでる真っ最中です。
独立するのか就職するのか。
理想としては独立なんですけど、しかしそれは食っていければの話で。
期間限定で自分を試してみるしかないかなと思ってるところです。

個人で作ったWebサービスがそこそこ収益を上げてるし、サーバーの管理費ももらえるし、あとプラスアルファがあれば結構安泰じゃね?とか思ったりもするのですが、多分ビジネスの世界は、僕が今まで相手をして来たプログラムやシステムとは違う難しさがあるはずで、慢心は禁物です。

あと、個人の開発プロジェクトが同時進行しすぎて停滞してるのでその辺も管理してくれる人がいると助かるんですけどね。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

Leave a Reply









Spam protection by WP Captcha-Free