技術

GeForce GTX 560TiからGeForce GTX 960へ

もうずっとゲーム用PCではGeForce GTX 560Ti(以下560Ti)に頑張ってもらってたので、半年ほど前から同じグレードの新製品が出たら買い換えようと思ってました。
そしてこの度GeForce GTX 960(以下960)が発売となりましたので、計画通り半ば事務的に切り替えることにしました。

ひとつ上のGeForce GTX 970の性能と価格を考えると、今回の960は喜び勇んで買うほどのものでは無い感があります。
正直計画を変更しようかと一晩悩んだくらいです。
(この世からご祝儀価格というものを消し去りたい…)

しかしまぁさらにこの次となると個人的にはプロセスがシュリンクされてHBM(High Bandwidth Memory)がミドルクラスに降りてきてからと思っていて、それは2,3年後かなと何となく思うので、このタイミングでとりあえず更新しとくのが無難かと思い購入しました。
さらに2,3年560Tiを引っ張るのもだいぶ無理がある気がしますし、半年とか1年後とかに出るであろう新製品を買うにしても、その後比較的すぐに本命が来てしまったらツライですしね。

ということでこちらを購入。
写真 2015-01-24 16 32 39
ZOTAC GeForce GTX 960 (ZT-90306-10J): ZOTAC – It’s time to play!

ZOTACの安いやつです。税込み3万円弱でした。
見ての通り、METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROESの無料ダウンロードクーポンがついてるモデルです。
ゲームのダウンロードクーポンがついたパーツを買うのは初めてです。

クーポンの利用については、同梱の紙に書かれたクーポンコードをNVIDIAのキャンペーンサイトで入力し、そのダウンロード権をSteamのアカウントと紐付けて、後はSteamクライアントでダウンロードするという流れになってます。
私はすでにSteamのアカウントを持ってるので特に問題なくゲームをダウンロード出来ました。

それではいよいよカードの外観です。
写真 2015-01-24 17 48 11

…。
ごめんなさい。
撮ろう撮ろうと思ってたのに忘れてケースに完全に収めてしまいました。
よって写真はありません。(↑のは取り外した560Tiです。)

ビデオカード – ENGTX560 Ti DCII TOP/2DI/1GD5 – ASUS
この560Ti、960を触った今となってはかなり重く感じます。
後で載せますが、GPUの温度上昇は560Tiのほうが少なかったので、重量のある良いヒートシンクを使ってるのかもしれません。
まぁ960と比べると基板自体もだいぶ長いんですが。

追記
PCをバラす機会があったので写真撮りました。
写真 2015-02-03 15 06 11

ベンチマーク

といってもWEIと3DMarkだけです。
グラフィックカード以外の構成は全く同じで以下のとおり。

CPU: Intel Core i5 4460
MB: ASUS H97M-PLUS
MEMORY: A-DATA DDR3-1333 4GBx2
STORAGE1: Seagate ST500LM000-1EJ162 (2.5inch 500GB SSHD)
STORAGE2: Western Digital WD10EADS-00M2B0 (3.5inch 1TB HDD)
STORAGE3: Western Digital WD20EARS-00MVWB0 (3.5inch 2TB HDD)
PSU: ANTEC EarthWatts EA-650 (ATX 650W 80PLUS Standard)
OS: Windows 8.1 64bit

普段使ってる環境ゆえ、常駐プログラムがてんこ盛りだったりするんで、他所のベンチ結果と比べるときは注意が必要かもしれません。
あと、無駄にストレージがつながってるのも普段使ってる環境ゆえです。

WEI

上が560Ti、下が960です。
560TiWEI"
960WEI

微増ですが、ある程度以上のグラフィックカードではあまり数値に差が出ないのがWEIの伝統っぽいです。

3DMark

なんか最新のやつです。
昔は3DMarkというと05とか06とかVantageとか11とか後ろについてて、それを聞くだけでどういう世代のどういうテストをするものなのかがだいたい分かるようになってたんですが、最近はどうもスマホやタブレットも対象になったせいか、それぞれ別のバージョンを持つ単体のテストの寄せ集めみたいな感じになってて、それに合わせてか名称が3DMarkだけになってしまってちょっとわかりづらくなってしまいました。

テスト結果も1つの数字に集約されるのではなく、各テスト毎に出るようになり、ちょっとめんどくさくなりました。

Ice Storm

560Ti: 129687
960: 133945

このテストはDirectX 11 feature level 9(つまりDirectX 9世代)のテストですがスマホやタブレットでも計測できるようになっていて、どちらかと言うとスマホやタブレットで実行してこんだけPCに近づいたよムフフってするためのテストだと思います。(かなり偏見入ってます)

あまり差が出なかったんですが詳細を見るとちょっとおもしろい感じになってました。
560Ti: GT1#1011.21fps, GT2#998.64fps, PT#162.34fps
960: GT1#1074.68fps, GT2#1185.28fps, PT#157.97fps
※GT = Graphics Test, PT = Physics Test

GT1は頂点ヘビーなテストで、GT2はピクセルヘビーなテストらしいです。
960がどちらも上回ってますが、560TiはGT1が960はGT2が速いというふうに少しGPUの性格っぽいのが垣間見える感じがちょっとおもしろいです。

注目はPTで960が負けている点です。
多分CPUで物理演算をやっているんだと思いますが、Fermi(560Ti)の頃と比べKeplerもMaxwell(960)もGPUの仕組みを簡略化してその分ドライバ(つまりCPU)に処理させるという発想で作られているため、その影響が出てるんだと思います。

Cloud Gate

560Ti: 12868
960: 15321

このテストはDirectX 11 feature level 10(つまりDirectX 10世代)のテストです。
ちょっと性能低めのPC向けのテストです。

詳細。
560Ti: GT1#115.34fps, GT2#114.15fps, PT#14.63fps
960: GT1#206.34fps, GT2#217.37fps, PT#14.31fps
※GT = Graphics Test, PT = Physics Test

GT1はジオメトリ&ポストプロセッシング&パーティクル大量なテストで、GT2はボリューメトリックイルミネーションを使っててジオメトリ&ポストプロセッシングは軽めのテストです。
この程度の重さでも960が2倍近く速いです。

このPTもCPU処理らしくIce StormのPTと同じ傾向です。

Sky Diver

560Ti: 9244
960: 17043

このテストはDirext11世代のテストで、ミッドレンジPC向けです。
今回はじめてこのテストを見たんですがなかなか楽しめました。
簡単に言うと、全身タイツのお姉さんがスカイダイビングをします。(簡単に言い過ぎ)

このレベルになってくるといよいよ560Tiでは厳しくなってきます。

詳細。
560Ti: GT1#46.01fps, GT2#42.74fps, PT#144.34fps
960: GT1#133.75fps, GT2#109.81fps, PT#139.62fps
※GT = Graphics Test, PT = Physics Test

GT1はForward lighting(順方向レンダリング)を使いテッセレーションにフォーカスしたテスト、GT2はDeferred tiled lighting(遅延タイルレンダリング)をベースにしたCompute Shaderでピクセル演算にフォーカスしたテスト、らしいです。
得意不得意の傾向は似てますが960が圧倒的に速いですね。

このテストのPTは8, 24, 48, 96スレッドの4パターンあるんですが、全て960が微妙に負けるというこれまでと同じ傾向だったので代表して8スレッドのものだけ掲載しています。

Fire Strike

560Ti: 3071
960: 6291

このテストはDirectX 11世代のテストでハイエンドPC向けです。
以前560Tiでやったことある気がするんですが、その当時より少しヌルヌル動くようになってる気がしました。
あくまでもそういう気がしただけで実際どうかは分からないんですが、ドライバが新しくなって効率良くなってるのかもしれません。

560Ti: GT1#15.29fps, GT2#13.41fps, PT#20.44fps
960: GT1#36.63fps, GT2#30.45fps, PT#20.2fps
※GT = Graphics Test, PT = Physics Test

GT1は激重テッセレーションとボリューメトリックイルミネーションのテスト、GT2はGPUによる複雑な煙のシミュレーションとDynamic particle illuminationのテストです。
960が2倍以上速いですね。
そしてかろうじて30fps以上な点がイカします。
まぁ多分平均でしょうから30fpsを割り込む瞬間もあるんでしょうけどね。

PTはこれまでと同じ傾向です。

3DMarkの結果の詳細
560Ti: NVIDIA GeForce GTX 560 Ti video card benchmark result – Intel Core i5-4460 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. H97M-PLUS
960: NVIDIA GeForce GTX 960 video card benchmark result – Intel Core i5-4460 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. H97M-PLUS

消費電力と温度
簡単に測っただけです。室温19℃。
560Ti: Idle 79W, 3DMW 246W, 3DMT 57℃
960: Idle 54W, 3DMW 204W, 3DMT 67℃
※3DMW = 3DMark中の最大消費電力, 3DMT = 3DMark中の最大GPU温度

アイドル下がりすぎw

しかし最大温度が高いのが気になります。
後々小型ケースに入れることも考えて、今回長さが短かいカードを敢えて選んだんですが、その分少々冷却能力が犠牲になってるようです。
最初持ったときも「軽っ!」って思ったくらいなので、ヒートシンクもそれなりなのかもしれません。

ただ、デモを含めた3DMark実行中という比較的短い時間の中の最大なので、実際のところはわかりません。
というのも560Tiで長時間ゲームをやると、排熱が追いつかなくなるのか、まれにグラフィックカードのファンが「パァー」という高い音を出すほど回転数が上がることがあって、同じ状況で960がどうなるのか、560Tiより酷いのか穏やかなのか、じっくり時間をかけて見極める必要があると思います。
何となく960なら大丈夫なんじゃないかと思ってますが…

追記
夏場も含めその後重いゲームを長時間やったりということを何度もやりましたが、グラフィックカードのファンの音がうるさくなる、ということは特にありませんでした。
そもそもこの960、温度&負荷が一定以下ならファンの回転が止まるくらいなので、ある程度温度があがるまでは本気で冷やさないし、温度が上がった後でも十分排熱が間に合うしで、排熱よりも静音性を重視してるのかもしれません。
実際HWMONITORを常時起動し最大GPU温度を監視するようにしてましたが、上記の最大温度(室温19℃で67℃)に比べ、上昇するのはほぼ室温の差の分だけ、という感じで非常に安定した印象をうけます。

NVIDIA GeForce Experience

出たばっかりの新しいGPUだからか、NVIDIA GeForce Experienceがちょっとおかしな事になってます。
4

GameStreamとShadowPlayは基本600番台以上のGTXシリーズなら対応してるはずで、とうぜん960も当てはまるわけですが、今のところ上の画像のように誤判定されてる状況です。
ShadowPlayは一度試してみたかったので残念です。
まぁすぐに修正されるだろうと思いますけど。

追記
NVIDIAのサイトから再度ドライバをダウンロードし、カスタム→クリーンインストールを選んだらGameStreamとShadowPlayが有効になりました。

ということでサラッと書くとか言っておきながらちょっと長くなりましたがGeForce GTX 960買いましたので今後ともよろしくお願いします(?)

おまけ
B8GZTuLCAAAkSBD

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