技術

レンズのシミュレーション

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3DCGでカメラのレンズをシミュレーションする方法は色々ありますが、比較的簡単にポストエフェクトで実現可能な色収差と周辺減光の簡易版を実装してみました。

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効果を分かりやすくするために強めのエフェクトにしてます。

まず1パス目で普通にレンダリングし、その結果(2D)に対し2パス目でエフェクトをかけています。
周辺減光に関しては画面の中心から離れれば離れるほどピクセルを暗くする実装、色収差に関しては画面の中心から離れれば離れるほどピクセルのRGBをずらす実装にしてます。

マルチパスレンダリングにして画面全体を覆う板ポリゴンにそれなりの重さのフラグメントシェーダーを適用すると如実に重くなる感じです。
これでもまだiPhone 4Sによるデバッグ実行で30fpsは保ってますがあまり余裕はない感じです。

レンズのシミュレーションを適用すると確かに見栄えは向上しますが、ゲームとして考えた場合は没入感を削ぐような気がします。
レンズの存在を感じると、個人的にゲームの中の世界の出来事を「別の世界の出来事」と無意識にとらえてしまいがちです。
(プレイヤーがレンズを覗いてるという設定なら逆に没入感は高まると思います。)

最近のPCゲーム等ではかなり高品質なリアルタイム3Dグラフィックを実現してるものが多いですが、画がリアルになったはずなのに没入感が得にくいものも結構あると個人的に思います。
色々原因はありますが、ゲームとしての画より1枚絵としての美しさを優先してポストエフェクトなどをかけ過ぎてるのも原因のひとつなんじゃないかなと思います。
言葉で説明するのは難しいんですが、綺麗すぎて突き放されてる感がするというか。
あとは逆に、色んな絵の具の色を混ぜていくと最終的に鮮やかさが無くなってしまうのと同じように、色んなエフェクトをかけ過ぎて一見すると画面がのっぺりとした感じに見える(よく見ると微妙な陰影があってリアルだったりはするんですが、ゲーム中はそんなじっくり見てる余裕がない。)ものもあります。
まぁ没入感は色んな要素に左右されるので、じゃあどうしたら良いかって事は私もよく分からないんですけどね。

ということでコストと効果のバランスから考えて今回のこのエフェクトは多分ボツにすると思います。

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